コラム

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 COLUMN 1. 去勢・避妊について

 iv. 犬は犬

「交配はしない」と決めた我が家は、「だったら病気の予防のためにも去勢すべきでは?」というように話が進みました。しかし、またまたここで問題発生〜!「いくら病気予防のためとは言え、幼い体に、しかも健康体にメスを入れるのってどうなの?もしラナが人間だったら、そんなこと考える?」つまりは前章で述べたところの『倫理的な視点』がムクムクと頭をもたげて来たわけです。

しかし果たして・・・

犬が、去勢されたことを、後々ショックに思うのでしょうか?(もちろん、手術による痛みやショックがトラウマになる可能性はあるでしょう。でもそれは「去勢」が要因なのではなく、犬の性格などの個体差、手術の方法や経過に要因があるのではないでしょうか)

 犬が、出産を経験したいと思うのでしょうか?
 犬が、自分の子供を見たいと思うのでしょうか?
 犬が、自然のままだったから幸せだったと思うのでしょうか?

いくら家族同然に大切にしている愛犬であっても犬は犬。人間とは気持ちの持ち様も生きる意義も違うはずです。去勢がかわいそう、子供が見たい、出産させたい…これらはすべて、犬ではなくオーナーの思いではないでしょうか?

私は決して"オーナーの自己都合"が悪いと言っているのではありません。愛犬を大切に思えばこその感情ですし、犬好きなら誰しも抱くものだと思います。ただ、せっかく犬のことを考えようとしているのに、「この子が人間だったら…」と"犬"を"人間"に置き換えてしまっては、もともこもないのでは??と思うのです。犬は犬として、そして私は犬を飼っている人間として、どうしたらお互いがハッピーになれるのかを考えて行きたいと思いました。


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